【吉田の日々赤裸々。 『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか】を読了した。
旧FF14を立て直した奮闘劇だけでなく吉Pの考え方や行動が社会人として非常に勉強するところが多く、仕事として為になるところもあった。
そもそも僕は半年前まではFF14をやったこともなく、吉田直樹という存在も知らなかった。
きっかけはYouTubeでおすすめされた「吉田P逃げる」の動画。
そこで初めてFF14のプロデューサー兼ディレクターである吉Pの存在を知ることになりました。
この動画を見た時、大草原と共に「こんな面白い人がつくるゲームってどんなんだろう…」と吉田Pに興味を持つようになりました。
ぼくはファイナルファンタジーシリーズのプレイ経験は3〜10、12でして、それ以外はやったことがありませんでした。
社会人になってからは仕事の忙しさでゲームをやる時間もめっきり減り、今ではほぼやることもなくなりました。しかし、ちょうどこの動画をみたタイミングで会社を退職して次の転職先までの有給消化期間中。時間を持て余していました。
「せっかくだし、面白ければFF14始めてみようかしら?」と思い、まずは評判を調べてみました。
いい評価
- 新生編を我慢すれば最高の感動が待っている
- 蒼天のイシュガルドから暁月のフィナーレのストーリーが神
- 他のオンラインゲーム比べていい人がたくさん
悪い評価
- お使いクエストがダルい
- オンラインゲームで知らない人とコミュニケーションするのが苦手
- 4人、8人バトルで失敗した時に誹謗中傷されるのが怖い
なるほど、悪い評価はFF14の評価ではなくオンラインゲームそのものの評価っぽいな(お使いクエスト以外は)。
オンラインゲームをやったことがないぼくですが、いい評価にある「他のオンラインゲーム比べていい人がたくさん」をみて、やってみてもいいかなという気になりました。なによりもFFが好きだし、きっと感動するストーリーを体験できるに違いないという期待感がありました(「新生編を我慢すれば」が気になりましたが)
新規登録が制限されているだと…?
よし、やってみよう。
そう思ってパッケージ購入しようとFF14のサイトへいったのですが…
「新規登録は受け付けていません」
どうもこの時FF14はサーバー混雑回避のため新規登録を一時的に停止していたのでした。
2022年1月初旬で、最新の暁月のフィナーレ(パッチ6.0)が2021年12月7日に拡張された1ヶ月後のほぼ同時期のタイミングでした。
残念に思いつつもいつ再会するか調べたところ1月25日ということがわかりました。
再会を楽しみにしつつ1月25日を待ちました。
そして、ついに新規登録再会の日が訪れました。
すぐに拡張パッケージを購入しDLを始めました。
DL速度が10MB/s前後とかなりに遅くダウンロードに2,3時間くらいかかったような気がします(帯域制限かかってる感じ)。
キャラクリを終え、いよいろ新生ファイナルファンタジー14の世界、エオルゼアに旅立ちました。
それからというもの、毎日ログインしてはメインクエストを進めていく毎日でした。
確かに新生編はお使いにダルさを覚えたり、もしもしミンフィリアに殺意を芽生えたりもしつつ、どんどんストーリーにハマっていくことになりました。
そして一気に蒼天、紅蓮、漆黒、暁月のメインストーリを一気にクリア。
特に好きなシーンは以下です。
- みんなに見送られながら飛空艇で旅立つシーン(新生)
- イシュガルドのBGM(蒼天)
- 紅蓮のツクヨミ戦(紅蓮)
- エメトセルクとのお互いの願いをかけた真剣バトル(漆黒)
- 「人はもう大丈夫だ、ヴェーネス」と言った時にヴェーネスに戻るところ(暁月)
- みんなの祈りからのハイヤーBGMが流れる終焉の戦い(暁月)
- ズッ友とのガチンコバトル(暁月)
…まだまだあるけどこれくらいにしよう。
ここで始める前に調べた評価について見直してみたら、本当にその通りでした。
いい評価
- 新生編を我慢すれば最高の感動が待っている
→新生はお使いがアレだったが乗り越えた先に感動が - 蒼天のイシュガルドから暁月のフィナーレのストーリーが神
→蒼天から暁月に向けて最高潮に - 他のオンラインゲーム比べていい人がたくさん
→誹謗中傷するような人に出会ったことがなくみんな初心者にやさしい
悪い評価
- お使いクエストがダルい
→本当にダルい - オンラインゲームで知らない人とコミュニケーションするのが苦手
→慣れたらむしろ楽しい - 4人、8人バトルで失敗した時に誹謗中傷されるのが怖い
→悪質なプレイしない限り、攻撃的な人はいない
悪い評価を見て不安におもい始められない人も多いと思います。特にオンラインゲーム特有の人間関係が不安で倦厭している人が多いと聞きます。
ただ、最近ではソロでも進められるように改修されているため、そのようなハードルは無くなってきたと思います。
まずは初めて見るのもいいかもしれません。
今だと無料で蒼天(Lv60)までフリープレイできるので、是非一度足を踏み入れてはと思います。
また、ゲーム以外にもPLLでの吉Pの話やコラムが書籍化されていて、社会人として勉強になることがとても多いです。
「吉田の日々赤裸々。『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか」
自分の仕事に当てはめながら読んでみると、共通点や学ぶところが多かったです。
勉強になったところ引用
わからないことがわかった、というのは、じつはとても重要
吉田の日々赤裸々。『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか
- 普段仕事しててもわからないことはたくさんあって、都度調べたり聞いたりしながら業務をしている
- ただ、かなりの頻度で調べる・聞くを繰り返している内に、それに時間がかかっていることに気がついた
- 自分が知らないことは何かをまず洗い出すようにし、何を理解する必要があるのかを知るようにした
- 自分がわかっていないことがわかったからこそこの行動につながった
理想ー現場=問題
吉田の日々赤裸々。『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか
- As-Isは業務でもよく課題出す時に使う
吉田はとにかく細かいお金の計算が苦手です。とくに予算や会計!…(略)保身を作るのが僕の役目さ!
吉田の日々赤裸々。『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか
- 無理に苦手なことを頑張るよりも得意なことに注力したほうが成果がでやすいと思う
- できる人はできない人でもできるようにタスクを細分化して簡略にしたりマニュアルにしたり、自動化するなどすると全体的に生産的かも
旧FF14ではケアルガ連打してもMPが尽きないというチート仕様。→「しっかりMP消費量を考えてバトルする」という調整を
吉田の日々赤裸々。『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか
- 人間はその環境に長期間慣れると、それの良し悪しに関わらず環境変化に強いストレスを感じる
- できるだけ避けるのが理想ではあるが、だからといってそれを放置しておくことに高いリスクを伴う場合もある
- 長期的な視野に入れての判断で、この変化を取り入れる意思決定をした
- この時期、吉田の胃に穴があいた(が、勝手に治ったらしい)
リテンション
吉田の日々赤裸々。『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか
- マーケ界隈では継続率
- 定義は様々で、例えば「最後の購入から1ヶ月以内に再度購入しているユーザー」を継続している人と定義するところも
- FF14は月額課金なので「直近Nヶ月間連続で継続している人」みたいな定義で見ているような気がする(正確にはわからない)
- 実はPLLもリテンション施策のひとつではあるとのこと
「息子がゲーム業界へ就職したい!と言っているのですが、どんな勉強をさせたらいいですか?」の質問
吉田の日々赤裸々。『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか
- 明確に勉強しやすく、勉強をして確実にスキルが上がるのがプログラマー
- コーディングした物量=経験が自分のスキルに反映されやすい職種
- ぶっちゃけ学校行く必要もないとも思う
- ひとりで目標を持ちながら勉強を続けられる人はかなり限られてると思うので、同じ目標が周りにいるような環境(専門学校など)を選ぶのがいいかも
- 「なんとなくゲーム業界に入りたいので学校へ…」は時間と金の無駄なのでやめたほうがいい
- まずはお子さんにPCとFF14を買ってあげて、死ぬほどプレイさせてPC扱えるように。あとゲームが好きになるように
- プログラミングを学ぶことが目的にならないようにしてあげてほしいと思う
FF14が拡張パッケージとして別途販売する理由
吉田の日々赤裸々。『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか
- 拡張パッケージとは「蒼天のイシュガルド」、「紅蓮のリベレーター」、「漆黒のヴィランズ」、「暁月のフィナーレ」。バージョンで言えば 3.0, 4.0, 5.0, 6.0。
- 一般的にはメジャーアップデートと呼ばれるバージョンをFF14では「拡張パッケージ」としている
- 普段の運営では、ゲームを安定供給するためのリソース(人員、サーバー費、広告宣伝費…etc)やマイナーアップデートのサービス提供をしていて、それを月額課金としての収益から賄っている
- 一方で、拡張パッケージはゲーム1本分に匹敵するほどの大規模な内容を通常運営をしながら拡張し、そのリソースは通常運営とは別の開発ライン体制を敷く必要があることからそのリソース分は月額課金のサービス範囲を超えているため別途販売としている
プレイヤーと開発チームの信頼関係を取り戻す
吉田の日々赤裸々。『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか
- 新生前の旧FF14では、フィードバックをもらったもののそれが実装されることが少なかった
- 新生FF14では、αテスト、βテストに参加したユーザーのFBと対応方針を広く公開すること、次回テスト時に反映することを繰り返した
- その姿勢とテスト結果と口コミが最大のPRになると考えた
- フィードバック取り込みするだけではなく、どういったFBにどう対処したかを発信することが重要
赤電
吉田の日々赤裸々。『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか
- サーバーダウンや深刻なハードウェア障害など、プレイに影響大な問題が発生するとかかってくる電話のこと。24時間容赦なくかかってくる。
- 僕の知る限り、医療業界でも同じようなオンコール体制がある
- 僕のいる会社も「赤電」とは呼んでいないがアラート当番を決めてオンコール体制を敷いている。24時間x7日で交代
- 何かエラーが発生すると、その瞬間に自動でSlack通知&PagerDutyから電話がなり、深夜だろうと飛び起きて対処する
- 当番になったその週はいつアラートが来るのか、対処できないアラートが来たらどうしようかなど、不安で精神的苦痛を負う
- これ辛いんだよなぁ
- もちろん、アラートを減らす取り組みをしているから減ってきてはいるが、それでも外部サービスとの連携やネットワーク不調、AWSやGCPなどのクラウドサービスが落ちたりでアラートがなくなることはない
FF14のサーバーはオンプレ?
- 暁月のフィナーレ発売直後は確か新規プレイはできなくて、その理由がこサーバー混雑が限界だが、サーバー調達しようにも半導体不足により物理的にサーバー調達できずとか言っていた気がする
- ちょうど暁月のフィナーレが面白いぞという噂を聞いてFF14を始めたいと思っていた矢先だったのでとても残念だったのを覚えている
- しかし、よく考えてみるとパッケージ買ったのにログインできないことの方がより残念だなと思ったので、結果よかったかなと思った
- FF11は安価に運用できるように一部クラウドに移行しているとは言っていたが、FF14はクラウドにするのは難しい事情があるのだろう
- エンジニアとしてその理由は気になる
- クラウドの性能ではゲームサーバーとしては要求を満たせない?
- データ保持に関するコンプラ的な制約?
- 昔からオンプレで運用しているだけに移行が難しい状況?
- できるにはできるが、優先すべきことが他にあり今じゃない?
ラブレター
- 旧FF14から見続けてきてくれた「ファミ通コネクト!オン」のゲーム雑誌編集担当 小山さん
- 当時メディア嫌いだった吉田の考えを変えた人物
- ここの小山さんのFF14への思いが感動する
- 是非読んでほしい
プラスアルファ
- 毎回ギリギリに脱稿する吉田のコラムをいち早く確認し、誤字脱字の指摘とともに、素敵な感想をくれるコミュニティーチームのモルボル(室内俊夫氏)
- いち早く確認するだけでも喜ばれるのに、感想も付け加えるとかされたら嬉しい
- これは真似してみよう